カウントを取るにはビートが染み込んでいなければならない/ホロウ・シカエルボク
 

指の強張りの理由は不明だった、時間は渦のように暴れながら不均一に流れ、少なくともここからでは確認することの出来ないどこかへ静かに落ちて行った、午後になってから隠れた太陽は結局そのまま今日の役目を終え、昨日までとはまるで違う少し肌寒い夜が訪れた、いつの間にか暮れていた空を見つめながら俺はひとつの啓示を得た、日常とは、覚悟を求めることのない変化―それが本当はどんなものについて話しているのか、俺自身にも釈然としなかった、日当たりは悪くないがカーテンを閉じたままのこの部屋では、一日中蛍光灯が明かりを落とし続けている、いつでもなにかペテンにあっているような気分が消えないのはもしかしたらそのせいなのかもし
[次のページ]
戻る   Point(2)