恋昇り6「明日の朝またおはようと言うために」/トビラ
 
そう、それと、もう一つ変わったことがあったんだ」
連座と菜良雲は私を見る。
「異常者に会った」
「異常者?」
菜良雲は少し意外そうに言う。
「どの程度の?」
連座の質問になるべく丁寧に言葉にしていく。
「十時すぎだったと思う。大体街も歩き回って、さてどうしようか?と考えてたとき、ふと嫌な視線を感じた。だから、ちょっと路地裏に誘いこんでみた。私に対する殺気の出し方とか体運び的に、一人で十分対処できると判断したから。そして、実際、ただの頭のおかしい人殺しだった。通り魔をしているみたいだったけど、ほとんど計画性みたいなのは感じなかった」
「どんな風だったか、説明できる?」
私は頷いて、
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