恋昇り 4「通知」/トビラ
 
ふー、と一息ついて言う。
「地下鉄で行こう」
みんな頷く。


因果列行のドアを開ける。
空はいつの間にか、曇りになってる。
四人で首を出して、あたりを見回す。
危険な感じはしない。
『星の視座』にもなんの変化もない。
ただ、今になってだけど、外が暑い。
ひたすらに暑い。

ここは雨降り街の街外れ。
閑散とした住宅街のさらに端の公園。
私たち以外、誰もいない。
人の気配がしない。
人はたくさんいるんだろうけど。
最寄りの駅に向かう。
駅に近くなるにつれ、店中や歩道を歩いている人を見かける。
みんな私たちには、なにも興味がないようにすれ違う。
気味が悪いほど
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