子供の頃駄菓子屋で/こたきひろし
 
子供の頃に母親の財布から小銭を抜いた。
母親はそれを知ってか知らないか何も言われなかった。
勿論、紙幣には絶体手を出さなかった。バレてしまうし、それ以上に私んちが貧乏なのはイヤと言うほどわかっていたから気が咎めたのだ。

財布から抜いた小銭で家の近くにあった、周辺で一軒しかなかった商店で駄菓子の籤を引いた。
束ねた紐の先が隠れていて、その内の一本を引くと当たりと外れがあった。

子供相手の商売だから紐の先には何かしらの駄菓子は付いている。一寸お高めの駄菓子が当たりでそうでもないのが外れになってた。

子供心にも当たりと外れに期待するドキドキ感からやって来る興奮と緊張感がたまらなか
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