金のすもも/愛心
 


若者は汚れた服を小川で洗い、乾かしていたが、いつのまにか眠ってしまった。

太陽が一番高いところに昇った頃、若者が目を覚ますと、目の前に金の鎖の首飾りが置かれていた。

また、何か困ったことがあれば呼ぶように、狐は若者に声をかけた。

若者は狐に感謝を告げると、娘の元へ戻った。



娘はすももの木の下で、澄ました顔で座っていたが、差し出された首飾りを見た途端、驚いて、あんぐりと口を開けた。しばらく訝しげに眺めていたが、探していた物だと納得したのか自身の首に掛けた。

すでに美しかった娘は、より美しく輝き、若者がそれを伝えると、娘は頬を染めた。



三つ
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