金のすもも/愛心
 


魚はしばらく泳いだ後、満足したように大人しくなった。

若者は一晩中口を開けて、星を数えて夜を明かした。



明朝、湖に口内の水を吐き出して、若者は驚いた。

産まれたばかりの沢山の小魚達が母魚を中心に泳いでいたからだ。

母魚は若者に礼を言うと、小魚と一緒に水底深く潜っていった。

若者はしばらく座って様子を見ていたが、いつのまにか眠ってしまった。

太陽が一番高いところに昇った頃、若者が目を覚ますと、目の前に青いダイヤの指輪が置かれていた。

また、何か困ったことがあれば呼ぶように、魚は若者に声をかけた。

若者は魚たちに感謝を告げると、娘の元へ
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