金のすもも/愛心
。
魚はしばらく泳いだ後、満足したように大人しくなった。
若者は一晩中口を開けて、星を数えて夜を明かした。
明朝、湖に口内の水を吐き出して、若者は驚いた。
産まれたばかりの沢山の小魚達が母魚を中心に泳いでいたからだ。
母魚は若者に礼を言うと、小魚と一緒に水底深く潜っていった。
若者はしばらく座って様子を見ていたが、いつのまにか眠ってしまった。
太陽が一番高いところに昇った頃、若者が目を覚ますと、目の前に青いダイヤの指輪が置かれていた。
また、何か困ったことがあれば呼ぶように、魚は若者に声をかけた。
若者は魚たちに感謝を告げると、娘の元へ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)