ヒバチ/あらい
 

ちくりと しめす あゝ のみだ

彼方の柔らかな鼾 留まることの無い未来 
信じれば天の底に向かい合う
みすぼらしい円居を叩く あまりに痩せた風の音《ね》
それでも、真夜中の葉脈に這わせる
せせらぎに染まりゆくひの 刹那
雫は平に落ちましょう

元は壊れ物であった 砕け散った欠けらも無い
あわれな亀裂すら 光は透し
みうしったのか きずけないのか
片鱗の身の私では うみにかえれない。
/
たかい
した
ひとっこ
ししか
いない
/
自由であれ無かろうて、空はまるで生き写しの私を云う。
見上げる余裕があるならば、
否、底に救いが見当たらないと、
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