道端の不審者/ふじりゅう
の現象として、頬が赤く染まったということでして、何がいいたいのかといいますと、実際に頬が赤く染まっていたということなのです。
話をきいたところ、どうやら道端で殴られてしまったということでした。道端で殴られてしまったのですから、私はもちろん怒りに震え、怒りのままに警察へ通報する寸前までいったのですが、息子はそれを引き留め、話を続けるのです。
ようするに、田んぼが連なる道端をとぼとぼ歩いていたところ、見知らぬ男が殴ってきて、私の息子は咄嗟に殴り返し、息子の方が強かったものですから、男は逃げかえってしまった、ということでした。息子は確かに空手を習っていた時期があり、それは自己防衛のためにそうさせたの
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