道端の不審者/ふじりゅう
 
たのですが、男が息子を殴った怒りはとうに忘れ、つまり、息子が男を殴ったことについて、怒りがこみあげてくるのです。
私は法律について詳しくありませんので、何とか法の第何条に基づいてという話をすることができませんが、不必要に殴り返すことは法律に違反していると何かの本で読んだことがあると記憶していまして、記憶しているということはその法律は確かにあったという確信がありまして、核心があるということはその法律は現在も適用される法律ということでありまして、現在も適用される法律ということはどういうことかといいますと、つまり息子は犯罪を犯したということなのです。
法の下の平等、というと陳腐になってしまいますが、
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