屋上の告白/トビラ
リティは有り余るほどあったんだろうね」
「僕だったら、たぶん諦めて流されてたと思う」
「青野君は、そうだろうね」
田畑さんは目を細める。
「私たちの祖先はバカだから、もっとひどい地獄を選んだ」
田畑さんは容赦がない。
「やっと辿り着いた住める星は、本当に厳しい環境で、生きていくだけでも、苦しかった」
僕は頷く。
「でも、結局、滅んじゃった」
「え? 滅んだの?」
「うん、滅んじゃった。跡形もなく。やっと住めるようになってきたのに」
僕は、ちょっと言葉を失う。
「でも、住んでいた星を爆発させてしまう前に、何人か地球に戻れた。その一人が、私」
僕は、少し遠くを見る。
初
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