屋上の告白/トビラ
初めて上がった屋上は、ずっと遠くまで見渡せるように広がる。
「うーん、元々が地球人なんだから、別惑星経由の地球人ということ? あ、逆輸入地球人?」
そう言うと、なんだろう、田畑さんの目が、熱を帯びていくように感じる。
「青野君さ、だから、私は子どもを残して、次世代にバトンをつながないとなんだ。この意味は、わかる?」
「上の次元から来た僕でも、その意味は推量りかねる、かな」
「じゃあ、教えてあげよう?」
お昼休みはもうすぐ終わるるし、春も去ろうとしている。
でも、僕らには夏がまるまる残っていて、つまりまだまだこれからで、なんだってできる。
だから、この胸の高鳴りをそっと分け合おう。
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