あなたがわたしの近くや遠くにいる (長いので途中からでも途中でやめてもOKで.../ふるる
 
ん、そして
手紙
よく見せて
封をしていない手紙をあけると
言葉がこぼれる
硝子の山、金の靴、銀の竪琴、ミルクの川、、、
お伽噺のお姫様が竜をねだるので
王子様が旅に出る話
それは手紙でしょうか
紺色のインクが迷ったりにじんだりするのではらはらする
遠くの国の父から子への物語
様々な願いが便箋を埋めるけれど
子どもはおもてに遊びに行ったまま大人になり
ぼんやりとした父と手を繋いで橋を渡る
ミルクの川と父がつぶやいて
そんな手紙もあったよね
幼い自分が父と自分のあいだを走りまわり風がよぎる
ぼくは子どもを持てなかった
大したことじゃないとかつての父が笑う
見えて
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