壊疽した旅行者 ニ/ただのみきや
」とも言われるが
五月蠅い奴と煙たがられもして
全てが血液型で片付けられることも珍しくはない
上手に操るタイプからは
扱いやすい組織依存型としていいように利用される
が それはそれでうまく噛み合うもので
飲んで愚痴ってもどこか誇らしげだ
利用されることと頼られることの区別をことさら
つけようとはしない無意識の防衛本能か
暗黙暗愚の代償としてのささやかな幸せを
誰もが追及する権利を持っているのだから
他者を踏み台にする権利はなくても現実は厳しいと
二十四時間社内総家族化に
花も咲かないまま腫瘍のような実を膨らませて
虻や蠅の羽音がいつから聞こえ始めたか
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