満足できない/ホロウ・シカエルボク
して、ベンドして
俺の脳髄を振り回す五十年前
硝子を引っ掻くみたいなソロに混じって
俺の産声が聞こえたのは気のせいなんかじゃない
蕁麻疹のような世界を
運命が吹き抜けてゆく
ジューシーなガムを噛みながら
吐き捨てるのは忌々しい昨日の出来事さ
たどたどしい靴音がこだまする裏通り
閉じた酒場の入口の
朝まで酔っぱらった連中のすえた臭いのアート
ブレイク・オン・スルー
極限まで思考をこねくり回す連中の為に
シンプルなゴールは用意されている
そのドアを開けるのはいまじゃない
もっともっと長い月日を重ねてからのことさ
眠ったまま死んだりなんかしない
プールの底に沈ん
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