生きてるノイズが屠るものは/ホロウ・シカエルボク
 
ペンの滑り具合は上々だった、最近はあまり使うこともないのに…子供のころと比べるとインクの質は格段に良くなった、漏れることも、凝固することもない、そこに詰め込まれているほぼ全部をきちんと使い切ることが出来る…話が逸れた、そしてその音は続いている、その音には思考の流れなどまるで関係がないらしい、だから精神的などうこうではないと考えている、まあ、医者に診てもらえばなにかしらの病名をつけてくれるかもしれないが―薬を売りつけるための―現実的に、生活の中でその音を聞き続けることでなにかしらの障害が生じているかと言えば別にないのだ、だからそのために医者にかかることはなにか馬鹿げたことのように思えて病院に足を運ぶ
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