Birthday Cake/ツチヤタカユキ
 
あ・・、他にやる事もねえからな」

「・・ねえ。・・ここもいいけど、ちょっと庭に出ない?」

シオンの右足は、中の綿を全てかき出されたぬいぐるみのように、ペシャンコになっている。
それは、シオンに残った後遺症の一つだった。
杖をつきながら、体を斜めに傾けて廊下を歩く。
ルカもそれに続いた。
「歩くの遅えだろ?」
「ううん、そんな事・・」
「いいんだ、慰めの言葉なんか・・」
二人は、病院の廊下を、ゆっくりと進んでいく。
ルカは、シオンの体を支えながら言った。
「いつも、私とレンを置き去りにして、一人で先々、歩いてたでしょ?」
「そうだったけな?」
「あの頃より今の方が、
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