Birthday Cake/ツチヤタカユキ
二人は、彼らを見ていると、自分達が何だか、別の生き物にでもなったかのような気分になった。
しばらく黙り込んでいた門脇が、しみじみと口を開く。
「こんなクソな人生なんか、いつ終わってもいいけどよお・・」
少し間があって、門脇は続けた。
「・・次は何に生まれ変わるかが、問題だよな?」
門脇は、そのまま不安げな表情に変わる。
「・・また俺に、生まれちまったら、どうしよう?」
シオンは、車を降りながら、車中の門脇に向かってこう言う。
「二回目なら、もっと上手くやれんだろ?」
門脇は、笑顔を浮かべる。
それは、まるでシオンの言葉に救われたかのような、慈悲に満ちた表情だった。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)