Birthday Cake/ツチヤタカユキ
 

そのまま、車は走り去っていく。
その日を最後に、門脇は、消息を絶った。

次の犯行当日。
シオンは、焦っていた。
何度電話するも、門脇とは連絡がつかない。
金庫強盗は、月末の給料を保管している間を狙う為、犯行は今日決行する必要があった。

仲間がバックれる事は、よくある話だった。
シオンは、門脇を諦め、仕方なく、たまたま家に居たレンを誘う事にした。
座って音楽を聴いているレンの肩を叩く。
レンは、シオンの方に視線を移した後、イヤホンを外す。
「手伝って欲しい事がある」

シオンにとって、こんなにも静かな夜は久しぶりだった。
門脇とは、現場に向かう時、『どの女性芸
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