Birthday Cake/ツチヤタカユキ
 
ても、シオンが金の出所を、言おうとしないので、ルカはもう考えるのを辞めた。
ルカとレンは、その金で暮らした。

仕事は、いつも深夜に行われる。
門脇と二人で、事前に目星を付けていた会社に、車に乗って向かう。
二人は、金庫を破壊する係と、タイムを計測する係。
それを交互に分担した。
今日は、シオンが金庫を破壊する係だ。
最初は、心臓が跳ねるように、ドキドキした。
二回目、三回目と、犯行を重ねるごとに、手際がどんどんよくなっていった。
十回目を超えてからは、完全なる流れ作業と化した。
最近は、ドアノブを回して入る回数より、バールでこじ開けて入った回数の方が多い。
最初は、あんな
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