Birthday Cake/ツチヤタカユキ
 
にイヤホンを差しっぱなしにした、レンが現れる。
二人の顔を交互に見て、観察している。
目つきが悪いシオンとは違い、まん丸い目に二重マブタ。
それは、女子なら誰もが欲しがるような瞳。

三人が一つの空間に集まると、三人ともが、何を喋っていいか、分からなくなった。

こんなにも近くに居るのに、何万キロも、遠くに居るように感じる。

「レンは、全く喋んねえんだよ」

翌日、シオンは、金庫強盗に向かう車中で、門脇にそう言うと、「全く?そうか・・」と、しばらく門脇は、黙り込んだ後、「明日からでも、透明人間がやれそうな奴だな」と言った。

門脇は、落ち着きのない子どものように、常に足
[次のページ]
戻る   Point(2)