Birthday Cake/ツチヤタカユキ
に足を貧乏ゆすりさせていて、手にはライターを持ち、せわしなく着火しては消すを、繰り返している。
その挙動とは対照的に、平坦な声をしていて、いつも薄ら笑いを浮かべている。
門脇は、突然一人で、ケラケラと笑い出した後、こんな話を始めた。
「うちの実家、製氷機が壊れて、ずっと氷が止まんねえんだ。夏にも、雪だるまが作れちまう」
シオンは、門脇と話していると、いつも養分を吸われているような気分になる。
思った事を脳みそを通さずに、全て口にするような人間を、門脇以外に知らなかった。
時おり、門脇は、口の中をもぐもぐさせる事がある。
「ガムでも食ってんのか?」とシオンが尋ねると、「口の
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