Birthday Cake/ツチヤタカユキ
付けっぱなしになってるテレビでは、天気予報が、明日の雨を知らせてる。
シオンは、吸っていたタバコを、空き缶に押し付けた後、ママが冷蔵庫に残していった発泡酒を、取り出して、飲み干した。
ママには、頭すら撫でられた記憶が無いが、アルコールだけは、細胞を撫でてくれる。
「ここで、うだうだ言ってても、しょーがねえだろ?」
シオンは、ブルーのフード付きパーカーの帽子を被り、キレ長の目を覆い隠す。
その下にある鼻先は鋭くて、鋭利に突き出していた。
「オレがなんとかする」
歩くと、床のフローリングが軋む。
いつも誰かが落とした、カピカピになった米粒を踏んだ。
その肩に
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