深海の寝床で/ホロウ・シカエルボク
 
いけれど
ただ腰を下ろしているだけでは
あまりにも退屈で
揺らいでいることを歌いたかった
幻想をすべて
取っ払えばこんなもんさ
丸裸になることは容易ではない
でもほら、
それは成り立っているじゃないか
原稿用紙に鉛筆で書こうじゃないか
それはいつか細胞分裂を起こして進化するだろう
孵化せよ、孵化せよ
薄い膜に包まれたあの頃からやりなおそう
時計の音はぼやけている
魚になりました
痛覚がない
漂っている
鍵がかかっている
水はどこにも漏れることはないよ
触れて確かめるんだ
まだ、そこにあることを
フィジカルとメンタルは分離してはならない
ここにいる、ここか
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