深海の寝床で/ホロウ・シカエルボク
 
こから始まる、いつだって
それがたとえば
垂直や水平の保たれた場所でなくてもなんの問題もないじゃないか
環境が人を作るなんて嘘さ
結局は人がそれを塗り潰すんだ
深海
おぞましい魚になろうか
それとも
砂の中に潜ろうか
塩分濃度は悪影響を及ぼしはしないか
ならば順応させるしかないか
生きると決めた場所ならなんだって出来るさ
どのみち、指折り数えてみれば
馬鹿みたいな歴史の方が多いんだ
水面に憧れない
それは生命とは関係がない
欲しいものなんかない
だから求め続けることが出来る
強大な圧力は官能的じゃないか
それは魂を浮き彫りにする手段なんだ
もう声なんか出せないと思えば
きっと横隔膜は本気で伸縮するだろう
手に入れることじゃない
失くすことなんだ
だから
ここにある空気はこんなにも煌くんだ

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