アイ・ガット・リズム/ホロウ・シカエルボク
したりすることがある、そのせいか近頃は先々思い出すのではないかと奇妙な安心の仕方をするようになった、思い出したところでそこには決まって覚えているべきだった事柄などひとつもなかった、そんな気がした、ということはつまり、そんな気がしたというだけのことだ、ある種の出来事については、感覚などまるで信じるに値しない、そしてほとんどの人間はそのことを知らない、知らない人間ほど確信する、自分の目に映るもののすべてを直観だけで判断してしまう、そしてそんな調子で一度定義されたものは二度と揺らぐことはない、彼らにとって現実とは使い捨てだ、ファーストフードや、マスクみたいなものだ、ようやく洗面で顔を洗った、目覚めて数分
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