血塗れの船で果てしない海を渡れ/ホロウ・シカエルボク
すような色味かもしれない、だけど俺にはいつだってそれは最高の色合いに見えるぜ、いつだってね…現世は―なんて、いまじゃ真面目に口にするのもこっぱずかしい有名な一節があるじゃないか、だけどあれは確かによく出来た言葉に思えるよ、現実なんてどこにある?お手軽にそこに在るだけのものだけにどうしてそんな仰々しい表現をかぶせなくちゃいけない?おそらくそれは多数決と同じ原理さ、日和るやつらの結論は概ね愚かしいとしたものだ、どんな世界に放り出されようが、そこにどんな社会が機能していようが、感覚が捕らえるものだけが真実だ、その中に隠れているものが真理だ、そう思わないか?いや、そう思えなくたって別に構わないけどね…いや
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)