ないものがあらゆるものを塗り潰す/ホロウ・シカエルボク
飛ばした、そして、意気揚々と役場を後にした―街はとても静かだった、山間の街によくある、ゆるやかにカーブしたメインストリートのみの街だった、表には誰も居なかった、俺はマシンガンを捨てて散歩することにした、マシンガンは抗議するように勝手に弾切れまで乱射し続けて方々のガラス窓やらを粉々にした…街の終わりに巨大な河の方に降りるスロープがあった、俺はゆっくりとそこを下りて行った、渋谷区がそのまま乗っかったみたいな豪華客船がなんの音もたてずに通り過ぎた、河は津波の実験施設にあるプールみたいに味気なかった、百人あまりが一斉に放尿出来そうな巨大な公衆便所があり、俺はその中へと入って行った…特に小便をする気でもなか
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