ないものがあらゆるものを塗り潰す/ホロウ・シカエルボク
、悪い香りは魅力的に脳天を突っつくものさ―駅員に切符を渡した、すぐそこに自動改札があったにも関わらずだ…駅員は不思議そうな顔をした、そりゃあそうだろう、だけど俺はそのとききっと自動改札のことが決して信用出来なかったんだろうな、あいつはただ食いたいものを食いたくてそこに居るように見えたんだ…駅の小さな待合室には近所の年寄りが持ってきたのかというような様々なクッションが壁の下部に余すところなく設えられた木のベンチに等間隔に投げ出されていた、それはスマホのパズル・ゲームの画面みたいだった、「ボーナス・ステージ」と俺は口にしてみた、でももちろんリアクションはどこからも返ってこなかった…アクションという概念
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