とおい記憶/草野大悟2
横たわっていた。黄金色の実りを惜しげもなく晒し、大きく股を開いて。股間からは、干し草の匂いが流れていた。
思わず顔を背けた。あられもないそんな姿態など望みはしなかった。慎ましやかで、奥ゆかしい実態であってほしい、いつもそう願っていた。
気持ちを熟知しているくせに、秋は得意気に股を広げ、広々とした大地を振りまきながら、挑発的な視線で刺す。人に、絶対に見せたくはない秘所を、しかも、面前で晒すことなど、到底受け入れることはできない。絶対に…できない。
すぐに決めた。首を絞めよう。
カタカタカタカタ。笑える悲鳴をあげながら秋は死んでいった。もう二度と会うこともないだろう。そう思うと身も心も
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