機械的な清潔の上に横たわる混沌のあらすじ/ホロウ・シカエルボク
と消えた、ただ、俺の居心地自体は良くなったわけではなかった、受け入れるということはそんなに簡単なことではない、それがどんなものでも、どんな人間でも―ずっと見つめていると自分の目がどこを向いているのか判らなくなった、無理もない、そんなものをそうして見つめ続けたことがないのだから…ああ、と俺はため息をついた、するとどうだろう、幻覚は小石を投げ込まれた川面のようにひとつの点を中心に波紋を描いて、それからもとの動きに戻った、なんだこれは―?俺の声に反応することが出来る、それはもはや現実の領域だった、まあいい…これが俺がそれを受け入れたということの結果なのかもしれない、わ、と俺は言ってみた、さっきよりも大き
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