サウンドとヴィジョンだけの短い夜の話/ホロウ・シカエルボク
れば、それは自然に剥がれるとそう信じていた、それが俺は俺が人生において犯した大きな過ちのひとつだ、どういうわけかそれは剥がれないようになっている、呪符のように、なにか強大な力、あるいは信仰でもって縫い付けられるのだ…不思議に思わないか?チープなスローガンほどそういう力を持っている、愚か者は強く信じる、なんて、言っちまえばそれだけの話かもしれないけどね、本当のことなんてそんなにはないものだ、そう思って生きていないと本当のことを見つけることは出来ない、見つけたって手に入れられるかどうかはわからない、乱暴に言ってしまえば、価値観なんてものにはなんの価値もない、どんな規則性も存在しない衛星のように自由にな
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