鏡像は俺でありながら俺ではないものを垂れ流している/ホロウ・シカエルボク
らだ、蝙蝠たちが天井を八の字に飛ぶ、妙に肉感的な羽音を立てて…本当に俺の血を吸うのはお前たちじゃない、そうだろ?パブリック・イメージだけがそんなふうに飛び交うのだ、人の目などこの世で一番信頼するべき機能ではないというのに―夜は軋んでいる、この部屋に蓄積した無数の取るに足らない記憶のせいだ、俺はその音を夜だと思う、この世に溢れているどんなものよりも確かにそいつを夜だと思う、なぜだかわかるか?俺は寝床に居る間中、ずっと、その音を聞いているからだ、それは俺にとってなによりも夜なのだ、俺は爪を噛む、捕らえたばかりの草食動物の肉に食らいつくライオンのように噛み千切る、捨てられた爪の破片は床の上で出来上がらな
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