鏡像は俺でありながら俺ではないものを垂れ流している/ホロウ・シカエルボク
冬の日はどこまでも喉に突き刺さり、痛みと共に脳味噌で弾けるシグナルはいつも、とてつもなく鋭利な刃物によってつけられた鮮やかで細い傷みたいで、呼吸によって生まれるものを俺は血だと錯覚してしまう、勝手に歌われる生の亀裂、崩落の予感は生まれたときから続いている与太話さ、俺は見ていた、俺の命で遊ぶ死神の姿を、いつだって…逢魔が時のような外套はいつだって俺の眼前でひらひらとたゆたっていたのだ、俺は今夜もそいつに向かって長い手紙を書く、生半可なものではやつは納得しない―やつはやつで、なにかままならないものによってどうしようもなく飢えているのだ、俺にはそのことがわかる、それは俺が声を上げる理由と同じだからだ
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