アンダーカヴァー・オブザナイト/ホロウ・シカエルボク
は本当にキューを床に叩きつけた、ちょっとあんた、店員が少々腹を立ててそいつの右腕を掴んだその時だ、そいつは身を翻して店員の腕に小さなナイフを突き立てた、ああ、と店員が短い悲鳴をあげてダークブラウンの床にしゃがみ込んだ、ちくしょう、と若者は歯噛みをした、中年の男は面倒にならないうちにさっさと引き上げていた、おまえらなんかな、と若者はナイフを振り回した、集まろうとしていた客や他の店員らがさっと距離を取った、どいつもこいつも馬鹿にしやがって、とそいつはたどたどしい呂律でそう言った、それから、全員殺してやるからな、と出来る限りのコワモテ声でそう付け足した、そりゃ大変だ、俺が腰かけているスツールはたまたまそ
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