魚(いお)のように/朧月夜
 
 海のように、そこに沈んでいく。でも今は、閉ざされている。……の多い、手紙のように。遮絶するそれらは、わたしたちを人であらしめるもの。──神? でもなく、天でもない。(わたしたちには見えないのだろう、……の時まで。その時までは、唱歌(コーラス)や独唱のうちに織り込まれている。そうだろうか? 徐々に足を延ばす、徐々に手を伸ばす)

 花のように、それらはかぐわしい。でも昨日なら、それは遥かの果てにあったかもしれない。一つ一つの独唱が和声となる、不思議な世界。わたしもそこに在っただろうか、それとも部外に取り残されていたのか。(夕日を見るときの、澄んだ眼。あれは黄泉の郷(さと)を示す方角
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