魚(いお)のように/朧月夜
 
方角だそうだ。わたしたちは西から生まれ、東へと逃れ行く。かぎろい……は、西に)

 本当であれば、ここも真実の国。我らの眼房に、それは折り畳まれている。明日呼ぶ声に引きずられて、わたしたちは生きている。(神話に答えを求めるのは、愚劣だ。なぜなら、そこには『それら』以上の真実はないのだから。過去は、わたしたちを生んだ母なるものでもあり、母なるものでもない。ただの奇跡として、そこに留まっている。……だからこそ、黄泉(いずみ)と言う)

 星のように、いくつかの答えは散らばっている。しかし、いくつかの答えは待たなければならない。わたしたちを引き留める鎖があるから。その鎖は一糸の慈しみの糸に
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