明々後日の方向/ホロウ・シカエルボク
いかな…とそいつはものすごく熟考した、まるで俺がどうしてもその答えをききたいと思って質問していると思っているみたいだった、いやまあ、言いたくないなら言わなくていいんだよ、と俺がひとこと口にしようとしたとき、そいつはようやく話しだした、「人生について考えていたんだよ」はぁ、と俺は間の抜けた声を出した、この会話は間違いなくどんどんつまらくなる、思えばあの時点でそんな予感はしてたんだ、「詩を書くのは素敵なことだよ、エキサイティングで、繊細な作業だ」、俺は返事も相槌もしなかった、それはまったく繊細な表現には思えなかった、「でもそれよりも先に、やることがたくさんあるような気がしてたんだ、ずっと」、ここでそい
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