201912第四週詩編/ただのみきや
 
冷たく砕け散る結晶にして
わたしは女について闇に分け入る
見えない中で感じている

眠りと目覚め交錯に夢と現は撹拌されて往く
繰り返されるセッション
壊れたおもちゃがカタリと鳴って
対象を求めて情念が狂い出す



言葉は指し示す矢印でしかない
眼差しの突き当るオト



 *  
十二月の冷たい溜息
頬におりた最初の綿

眼差し鳴らす道すがら
ふと眩み

酔い 迷い 夢の傍
影だけ下りた 忘却の

舞い 眩暈 闇の元
花房落ちる 匂いと鳴って



 *
人気のない場所を見続けている
公園の踏み荒らされた積雪の蒼い凹凸

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