201912第三週詩編/ただのみきや
 
つまり論理性も倫理性も
それほど重要視はされていない
神話は地域や民族に属するもので
それらを越えて布教する必要性がないのだ
(実際には征服した民族とされた民族の神話は
様々な形で混合するのだが)
同じ山脈や同じ河 気候風土 同じ食生活
それらを共有する人々が神話も共有する
普段それは遠い昔のお話でしかないが
祭りの日は特別で
その地域ごとに聖別された場所が設けられ
神代と現代が交錯交感する

いつしか神々をモチーフに
二次的三次的な物語が生まれ
それらを主題に絵や彫刻 
音楽や詩も生まれた
神話はむしろ宗教よりも
芸術のアイコンとして
国境や民族を超えて往く
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