死はない、死はない、知らない/ホロウ・シカエルボク
 



だれが本当のことなど口にすると言うのか?
そんなことが出来る人間などひとりもいない
みんなひとりよがりで
みんな愚かしくて
そしてあまりにも命が短過ぎる
臨終の床で目を見開いたところで
見えるのは真っ黒い影ばかりなのだ


海岸に並べられた無数のベッドに
世界一静かな恨みごとを吐いて横になろう
やがてすべては砂に飲み込まれる
さあ、始めよう、イントロはさまざまだ
けれどエンディングはおおむね決められている
自分自身のことを果てしなく語るべきだ
たとえ他にだれのすがたも見当たらなくても
たとえおまえの運命がやんわりとそんな行為を拒否しようとしても
出来
[次のページ]
戻る   Point(4)