死はない、死はない、知らない/ホロウ・シカエルボク
うか
語り掛けるみたいに長い手紙を書いてみたりするだろうか
おまえ以外のだれのためのものでもない言葉たちは
そのときおまえを安らかな眠りへと導くことが出来るだろうか?
おれは答えを持たない
おまえだって持つことはない
人が百年のなかで覚えることなど
生命にとっては余興にもならない
安心してすべてを吐き出すがいい
おまえの理想郷は崩れ落ちることはないだろう
おれたちは催眠術師のように
そうだ、そうだと知ってるみたいに繰り返し
ありもしないことについてべらべらとまくし立てる
そしてやがてカラカラになった水を潤そうと
タンブラーを空にした瞬間に錆びのような苦みを覚えるだろう
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