死のオムニバス/こたきひろし
 
郵便局に就職しました
三十近くになって銀行員と結婚して
子どもを二人もうけました
五十代半ばに肺癌になって他界しました
弟思いの姉でしたが

父親は冬の夜に風呂場で倒れました
脳内出血でした
病院へ運ばれて呆気なく亡くなりました
認知症の始まっていた母親を
献身的に介護していたのに

母親を介護してくれる人がいなくなってしまいました
家を継いだ長男夫婦は
施設に母親を入れました
施設に入って間もなく
母親はほとんど寝たきりの暮らしになりました
施設にとってその方が都合がよかったようでした

母危篤の知らせが携帯電話で知らせられました
丁度ゴールデンウィークの
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