死のオムニバス/こたきひろし
 
クの真っ最中で直ぐに大渋滞にはまりました

病院へ駆けつけた時は臨終の後でした
長男の嫁さんに叱責されました
「おかあさん、ずっとずっとひろしさんが来るのを待っていたのよ」
そう言われて緊張の糸は一度に切れました
涙があふれてあふれて
その場で号泣してしまいました

あれから何年の歳月が過ぎたでしょうか
郷里の実家は空き家になってしまいました

私の心には穴が開いてしまい
それを塞ぐ蓋がいまだに探せないでいます
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