死のオムニバス/
こたきひろし
クの真っ最中で直ぐに大渋滞にはまりました
病院へ駆けつけた時は臨終の後でした
長男の嫁さんに叱責されました
「おかあさん、ずっとずっとひろしさんが来るのを待っていたのよ」
そう言われて緊張の糸は一度に切れました
涙があふれてあふれて
その場で号泣してしまいました
あれから何年の歳月が過ぎたでしょうか
郷里の実家は空き家になってしまいました
私の心には穴が開いてしまい
それを塞ぐ蓋がいまだに探せないでいます
戻る
編
削
Point
(6)