自分の存在がやたらうざいと思えても/こたきひろし
 

姉は言った
「ひろし。おちんちんに毛一本だけはえてるよ。いつの間にかだね。お姉ちゃんも気がつかなかった」
言われて俺も初めて知った
姉にはすでに大人と変わらず生えていたが

たった一本の俺の陰毛に姉は決断したように口にした
「ひろし。明日からはおまえ一人で風呂に入りな。もうお姉ちゃんはいっしょに入らないから」

とそう言った

母親よりもいとおしく
大好きだったお姉ちゃん

その時ほど
俺は成長していく自分の体を
うざい存在と思えた事はなかった

大人になんてなりたくはないと切に思えた

なのに体は日に日に成長していく
いつか性に目覚めていた
それは自然
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