自分の存在がやたらうざいと思えても/こたきひろし
あまり子どもらにはかまってくれなかった
必然的にいちばん上の姉が母親がわりになってくれた
姉と俺は十歳年が離れていた
姉は風呂嫌いの俺をよく風呂場に連れていって
「ひろし汚いよ。お姉ちゃんが洗ってあげるからいっしょに入ろう」
と言って、嫌がる俺から強引に着衣と羞恥心を剥ぎ取って
頭髪や体を洗ってくれた
小さい内にはそれにも従っていたが
だんだんに俺も体は成長していってそうもいかなくなっていた
それでも変わりなく姉はいっしょに風呂に入ると言った
姉は姉で女の体になっていた
大人の体になっていた
姉はわが弟だからと油断しているに違いなかった
ある夜、
姉
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