昔怪人と呼ばれていた男は七面鳥に惚れる/アラガイs
の人間たちは男の昔をすっかり忘れてしまった。
そうして縁もなく噂を聞きつけた派手な女が男のまえに現れた。
宮殿に据えられた大理石の悩ましいオブジェ
魔性を誘う真っ赤な唇
まるで樹の皮を剥いだような艶のあるなめらかな白い肌から
機械的に整えられた端正な顔立ち
フェロモンの
、括れた腰が唸る
うりうりと割れる、驚きの人々、
巨大な胸と尻のふたつに地面が妖しく揺れた。
あまりにも有名な女優とそっくりに仕上げられている
通称マリリンと呼ばれた
それは誰もがふりかえるような女性だった。
男はすっかり魅了され
その半年後に二人は結ばれた。
しかしお互いどちらにも秘密の舘が
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