昔怪人と呼ばれていた男は七面鳥に惚れる/アラガイs
舘があり掟がある
それはクリスマスの前後、一定の期間は必ず別居するというサイレントな
、なんとも不思議な約束ごとだったのだ。夜にメリークリスマス……
その後マリリンは60を過ぎて亡くなった。だが、
不可解なことに彼女の屍を見た者は彼氏しかいない。
※一説によれば
痩せ朽ちた茶葉色の躰とは対照的に、皺のない顔は生き生きと白く輝いていた
また場末の酒場に屯するという女の噂話を真に受ければ、
どうやら棺桶の中身は頸から上のほうが無くなっていたらしい、とか、
やれやれ、想像もつかない、怖い作り話しである。
どうせなら
入れ墨は六寸ちょっとの十字架に仕立て
周りは小さな北斗星でカモフラージュ(皮膚が突っ張るとか)
痛みで咳もできない、
、リアルできない話しだが
ぱっくりと開いた胸郭の中で
心臓が激しく鼓動を打つのだ。
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