幽霊の見える日、洗面所の鏡を万遍無く塗り潰して。/ホロウ・シカエルボク
 
わってしまう―俺は独り言のように書く、とりとめもないものが好きだ、それは明確なものよりずっといろいろなものが隠れている気がする、いろいろな方向へと感じることが出来る、ひとことで言える答えがないもの、そんなものがいちばんリアルだって感じるんだ、だってそうだろ、さまざまな触覚がなにかを感知する瞬間、それには名前がついてないんだ、のちのち解釈されて、命名されて、分類される…俺は、なにもかも決定されないうちに言葉を投げ出す、出鱈目に投げつけて、おそらくは深層心理からの呼びかけに従い、ひとつの模様になるまでそれを続けるんだ、初めから終わりまで、こんなものがいいような気がする、って、そんな調子で指先を動かして
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