路地で立ち止まっていたナミ/ホロウ・シカエルボク
 
、わかるか?練習」
女は頷いた
その日から俺は仕事の終わりに路地に寄り、女を拾って帰るようになった
確かに女のトイレマナーはまるでなっちゃいなかったが根気強く教えてやると上手く出来るようになった―二ヶ月かかったが
それから俺は女にいろいろなことを教えてやった
入浴の仕方、服の着方、食事の仕方―とにかく日常生活に必要なありとあらゆること
それぞれに大変な時間がかかったが女はきちんと出来るようになった
何かを覚えるたびに彼女の目の光は強くなっていった
彼女はあまり自分の家に帰らなくなった
俺は彼女にナミ、という名前を付けた―「並」にかけただけだ、人並のナミ
ある日、俺は仕事の帰りに
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