不毛の海図/こたきひろし
 
う興味と刺激を味わえるからだ

その朝は黒いごみ袋が1つ捨ててあった
驚いたことに
そのごみ袋は何やら動いていた
事もあろうか
ごみ袋の中で何匹かの猫が鳴いているのが聞こえてきた

きっと生後間もない子猫に違いない
まだ目も見えない子猫に違いないのだ

人間は自分の都合しだいで幾らでも残酷になれる
自分より弱い存在には特に

彼はにわかに心がざわめき痛みだした
けれど黒いごみ袋の中を確めたりはしなかったのだ
触る事さえしなかった

彼は散歩を優先した「自分は何も悪くない」とひたすら思うようにした「悪いのは子猫を捨てた奴だ」
もし
この場に他人が通りかかったら
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